Uのあたまのなか

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赤い公園を知ったことで人生初の経験をした話

赤い公園を知ったことで人生初の経験をした話

赤い公園との出会い

出会いは突然だった。お笑いコンビの三四郎がパーソナリティを務める「三四郎オールナイトニッポン0」を毎週聴いていたのだが、ある日の放送の中で赤い公園のカメレオンという曲が流れたのだ。

ボーカルが女性というのは声を聞いてすぐにわかった。BGMくらいの感覚で聴いていたがサビが流れた途端、わたし


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の琴線に触れた。とても印象的だったのだ。しかしその時点では「いい曲だなぁ」程度でしかなかった。

「熱唱サマー」の衝撃

突然の出会いから少しして、よく聴くアーティストにマンネリを感じたわたしは新たなる出会いを求めていた。その中でおすすめガールズバンドを特集した記事に赤い公園が紹介されていたのだ。カメレオン以外の曲は聞いたことがなかったので、早速Youtubeで動画を漁ることにした。オフィシャルがアップしている動画は少なかったが、最新アルバムの「熱唱サマー」全曲ダイジェストをとりあえず見てみることにした。この選択が私にとってターニングポイントだった。

どの曲もどストライクだった。特に6曲目の「プラチナ」は、ポップだけど悲しい雰囲気のメロディーラインにボーカル佐藤千明のエモーショナルな歌声がベストマッチしていて私の心を鷲掴みにしたのだ。ダイジェスト動画ではサビだけしか聴くことができないので、すぐに熱唱サマーをiTunesストアで購入した。(後日CDの方も購入した。特典DVD観たくて。)

ライブ「熱唱祭り」でどっぷりハマる

熱唱サマーを購入してからはとにかく聴きまくった。捨て曲なしの名盤のようにどの曲も素晴らしくアルバムを何度もなんどもリピートした。そんな中ベストアルバム「赤飯」の発売を知り、もちろん購入。(妻からの誕生日プレゼント)通常版・PV集付き・ライブDVD付きの3タイプあり、PV集も捨てがたかったがここはプラチナのライブ演奏目当てでライブDVD付きにした。

ベストアルバムは言うまでもなく素晴らしく、赤い公園の楽曲の中当で最も認知度が高いであろう「NOW ON AIR」をはじめ、初期作品の「のぞき穴」や「交信」などどの曲も特徴的で、現在も飽きることなく聴きまくっている。そして、楽しみにしていた肝心の「プラチナ」のライブ演奏だが、想像を超えてきた。振り絞るようして脆く、それでいて力強く歌う佐藤千明の声と演奏に魅了された。他の楽曲もライブ演奏ならではの空気感で音源を上回っており、何度も見返してはそのたびにハマっていった。こうなると生で聴きたくなるのが人情というもの。ただその時点ですでにボーカルの佐藤千明は脱退しており、次回のライブは未定の状態だったのでわたしは途方に暮れた。

人生初の邦楽フェス参加

それから少しして、さいたまスーパーアリーナにて開催される「VIVA LA ROCK 2018」という3Daysの音楽フェスの2日目、2018年5月4日に赤い公園の出演がアナウンスされた。音楽フェス自体には2013年のサマソニで経験があったのだが、普段からB'z以外の邦楽バンドをほとんど聴かないので、邦楽の音楽フェスは全く縁がなかった。そんな私にきっかけをくれたのが赤い公園だった。「生演奏が聴きたい...!!」その一心で赤い公園だけのために1万円の近いチケットを購入した。

単純にこんなにも早く赤い公園の生演奏を聞く機会が訪れたことに歓喜したが、お正月のライブのように3人が代るがわる歌うのか、はたまた新メンバーがボーカルになるのか全くわからなかった為不安ではあった。しかし、その不安はフェス前日に赤い公園の公式声明として新ボーカル加入と告知されたことで払拭された。肝心の誰なのか、という部分は当日のお楽しみというサプライズ。期待に胸を膨らませて当日の朝さいたまスーパーアリーナへと向かった。

出番は17:40~、CAVEステージという全ステージの中で最も小さいステージ。少しでも前方で見るために、赤い公園の2バンド前からジリジリと前方に移動していった。(もちろん地蔵ではなく全力で盛り上がった。)

生演奏そして新ボーカル

最終的にステージ中央、3列目のポジションに位置取りができた。出番間近になるとサウンドチェックのためにステージ上にメンバーが現れる。まず現れたのはドラムの歌川菜穂。小柄だ。そして可愛らしい。とても酒癖が悪いとは思えない。それに続いてギターでありメロディメーカーの津野米咲をはじめ、ベースの藤本ひかりも現れる。(津野米咲は少し前に別ステージで「VIVA LA J-ROCK ANTHEMS」として先に見ていた。というか正確には歌川菜穂藤本ひかりもそのときに見ていた。)当然というか新ボーカルは本番までのおあずけ。スタートの時を緊張の面持ちで待つ。

はじまりは幻想的だった。スモークのたかれたステージで背にブルーのライトを浴びながら4人は1曲目の「風が知ってる」を演奏する。新ボーカルの声は透明感にあふれていて、癖がなくまっすぐだった。逆光になるため顔は見えない。じっくりと歌声だけに集中できるそんな演出だった。2曲目「闇夜に提灯」からはメンバー全員の姿がはっきりと見える形になった。新ボーカル石野理子のことを私は知らず、元アイドルルネッサンスというアイドルのメンバーだったことも何もかも知らなかったので、どこの誰だかわからないまま純粋に歌声を受け止めることができた。

ライブ中のことは初めての生演奏に感激していたためにほとんど覚えていない。しかし、新ボーカルだからというがっかりもなく、純粋にCDで聴き込んでいた楽曲を堪能できている喜びをはっきりと感じていた。新曲「スローモーションブルー」や熱唱サマー収録曲「最後の花」、「Canvas」そして「NOW ON AIR」と、とても素晴らしかった。真っ直ぐに音楽を楽しむ4人の姿と演奏を感じることができてよかった。これからの赤い公園がより一層楽しみになったことは言うまでもない。

赤い公園を知ることができてよかった

三四郎のラジオをもしも聴いていなかったら、私は赤い公園というバンドに出会うことも邦楽の音楽フェスに行くこともなかったかも知れない。ひょっとするといつの日か違った形で知ることになったのかも知れないが、要するに出会いによっていい経験ができた。この先も音楽フェスなどに年甲斐もなく参戦して楽しむことができるいいきっかけをもらった。そしてなにより赤い公園の新譜が待ち遠しくて仕方がない。これまでの赤い公園も素晴らしいが、この先の赤い公園もきっと素晴らしいに違いない。あの日の4人の姿を観たらそう思わずにはいられない。