31歳にしてようやくビールが飲めるようになった話
お酒といえば、誰しもがまっさきに思い浮かべるのは『ビール』ではないだろうか。
お酒には日本酒を始め、焼酎やウイスキー、カクテルにワインと多種多様な種類がある。好みは人それぞれなので、普段飲むお酒には個人差があるだろう。しかし、「とりあえず生」というフレーズがいつの間にか定着しているほど、ビールというのは日本人に非常に馴染んでいる。ドイツ人も真っ青といっても過言ではない。そんなビールを、私はこれまで飲むことが出来なかった。
初めて飲んだときの印象は「苦い」というものだった。美味しくない。のど越しを楽しむものだとよく聞くが、楽しめない。初対面がそんな悪印象だったものだから、お酒を飲むときは日本酒やワインがメインとなっていった。ただし、一度飲んだだけで敬遠をしていたというわけではない。これまでに何度か挑戦はしてきた。そのたびに初めてのときと同じ印象を感じていたのだった。そのたびにもう飲むのはやめようと心に誓うのだが、しばらく経つと「ひょっとしたら美味しく感じるかも…?」という淡い願望がこみ上げてきて、チャレンジしてはまたがっかりするの繰り返しだった。
2020年になって、なんのきっかけだったのかもう思い出せないのだが、たまたまスーパーで売っていたハイネケンが目に止まった。あの緑色のフォルムに惹かれたのだった。これまでスーパーでビールに対してなんの感情もわかなかったにも関わらず、そのときは気がつくと缶のハイネケンを買い物かごへと入れていた。
自宅へ帰るとおもむろにスーパーの袋からハイネケンを取り出し、プルタブを開ける。プシュッという音と共に、少々の泡が溢れてくる。そのままゴクッと一気にあおると、初めてのど越しを感じた。今まで苦手だった苦味をスムーズに受け入れることが出来た。驚く間もなくグビグビと飲みすすめる。うまい。微炭酸と苦味が最高にうまい。「これが麦芽とホップなのか」とコマーシャルか何かで耳にしたフレーズを噛みしめる。私の身体に何が起きたというのか。なんのきっかけもなくビールが飲めるようになった瞬間だった。
それからというもの、ビールにハマった。これまでは自宅でお酒を飲むときはもっぱらチューハイだったのだが、ビールだけになった。ハイネケンだけでなく、沖縄ビールやバドワイザー、アサヒスーパードライなどを試したがどれも美味しい。キリン一番絞りは苦手だった。海外製の軽めのやつが合っているのかもしれない。
すごく人気のあるっぽいコロナビールはまだ飲んだことがないので、ぜひ飲んでみたいと思う。コロナって名前がまたいまはタイミングが悪いよね。関係ないけどさ。地ビールとかも気になるし、色々飲み比べてみたい今日このごろ。