Uのあたまのなか

おっさんです。思ったことや感じたことを吐き出す場所としてブログを立ち上げました。

部下が辞めるときは恋人にふられたような気分になってしまう

何の前触れもなく、部下から「話があるのでお時間いただけますか」といわれた。

 

いわれたと言っても直接ではなく、社内ツールとして使っているチャットでだ。瞬時に退職の二文字が浮かぶ。だが、理由が浮かばない。考えられるあらゆる可能性を想定するが、その中で安堵できるような内容はほんの一握りだった。

 

たしかに今朝から雰囲気が違う気はしていた。あきらかに影を感じていたが、そういう日もあるだろうからと静観していたらこのザマだ。とはいえ約束の時間まではまだ余裕があるので、退職という選択肢を極力考えずに、それ以外の内容だった場合の展開を考えていた。

 

 

約束の時間はすぐにやってきた。どんよりとした気持ちを抱えながら会議室へ向かう。部屋の入り口で当人と合流したのだが、当然のことながらぎこちない雰囲気になる。

 

「それで、どうしました?」席についてすぐに切り出す。

 

申し訳なさ全開の顔をして、緊張からか顔色をやや赤らめながら部下が口を開く。

「急な話で大変申し訳ないのですが、、、退職をしたいと思います」

 

可能な範囲で事情を聞く。この場合上司にできることなど限られており、最終的には送り出すしかない。

 

本人曰く、職場に対する不満はなかったということだったが、のっぴきならない事情が出来てしまったのだそうだ。

 

このとき、恋人にふられた気持ちになる。部下が男だろうが女だろうが関係なくだ。上司と部下という関係である以上は、できる限り不満が生まれないように配慮しながら、業務を教える義務があるので、そのことだけに尽力してきたつもりだ。その結果、端的にいえばもう付き合いきれませんという表明が退職願になるのだろう。それは、どんな事情であったとしても。

 

もちろん生きるための仕事なのだから、人生を優先するのは当然だ。だから退職には何の問題もないし、責める権利はない。

 

だが、業務的な部分で言えば残る人には少なからず負担がのしかかるのは確かだ。さらに、管理職としての責任も問われるだろう。

 

自己保身を考えれば考えるほど、やるせなくなる。こんなことに縛られていること自体が嫌になる。あなたの今後の人生は、誰かの不幸せの上に成り立ってるんだぞと言いたくなってしまう自分も嫌だ。

 

なんだかんだ言っても退職することには変わりはないのだから、事務手続きを済ませるしかない。感情に浸っている暇はない。会社に属している以上、割り切って次のことを考えなければならないのだ。

 

もちろん反省もすべきだろう。少なからず退職の要因に自分の至らなさが入っているに違いないのだから。

 

ただ一つ救いだったのは、「あなたが上司だったからこれまで続けてこれた。そうでなかったら入社数日で辞めていただろう」と言ってもらえたことだ。リップサービスだとしても構わない。それだけでこれまで育成に費やした時間は報われた。気持ちを切り替えて次に進むことができそうだ。

 

まあでもしばらくは引きずるけどね。そんな簡単にスパッと割り切れたら世話ないぜ。