食べたいと思った時に頭に浮かぶ牛丼

ときたま牛丼を食べたくなる時がある。

なんの前触れもなしに、いきなり「あ、牛丼食べたいなぁ」といった感じでその気になるのだ。この現象に名前をつけようと思ったこともあるが、いいネーミングが浮かばなかったのと、名付けたところでどうするのだと我にかえったことでそのままになっている。

牛丼をメインで提供している飲食店はいくつかあるが、私はふと食べたくなった時に浮かぶのは『松屋の牛丼』だ。特別贔屓にしているわけでも思い入れがあるわけでもないのに、何故か松屋の牛丼が浮かんでくる。今回その理由について真剣に考えてみた。

まず、お味噌汁が無料でついてくることが大きな要因として挙げられるだろう。吉野家もすき家もお味噌汁はついてこない。松屋だけが当たり前のような顔してスマートにお味噌汁をつけてくれるのだ。しかも、無料である。冷静に考えるとこれはすごいことじゃないかと思う。

おそらくはインスタントの安いお味噌汁だろうが、だとしても無料となると話が違ってくる。少なからず松屋側にはコストがかかってるのだから、このサービスはお客へのおもてなしの心に他ならない。粋なサービスだ。

考えれば考えるほど、私が感じている松屋のアドバンテージはお味噌汁であるように思えてくる。もはや牛丼そのもののことなど関係ないのだ。美味い牛丼かどうかというより、食べたいと思う牛丼かどうか、それを決めるのは他ならぬお味噌汁の存在というわけだ。

もしも松屋がお味噌汁の提供をやめたらどうなるのだろう。牛丼の味で勝負となるのか、はたまた他のサービスによって決まるのか。気になって仕方がないが、どうでもいい。