Uのあたまのなか

おっさんです。思ったことや感じたことを吐き出す場所としてブログを立ち上げました。

文学フリマ東京に初めて行ってきた

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文学フリマ」というイベントを知っているだろうか?

私は半年前にふとしたきっかけで知った。オタクの一大イベントであるコミケの文学版というとわかりやすいかもしれない。プロ・アマ問わずに文学を好きな人たちが、思い思いの作品を販売するイベントだ。そんなイベントに今回はじめて参加しようと思ったのは、私がいま最も好きな作家である澤村伊智先生がつい先日Twitterでこうつぶやいていたからだった。

本屋などの市場に出回らない本に澤村伊智先生の作品が載る…これは気になる。どんな内容なのか、ファンとしてはぜひ見ておきたい。そんな感じで衝動的に行くことを決めたのだ。

 

イベント当日、期待に胸を膨らませて会場へ

11時開始という事なので、会場の最寄り駅である「流通センター」に10時45分着の予定で家を出発。ゴールデンウィーク最終日とはいえ電車はガラガラだった。

あっという間に会場の「東京流通センター 第一展示場」に到着。

 

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開場時間の11時までまだ少し時間があったが、やはり文学が好きな同士が集まっているだけあって、すでに入場待機列が形成されていた。お目当てである「ひとひら怪談」がどの程度の人気なのかわからなかったが、おそらくは開場と同時に完売するような感じではないだろうという読みだったので、慌てることもなくマイペースで列に並ぶことにした。

約10分程度の待機だったが、その間は持参した鈴木光司先生の「リング」を読んで時間を潰していた。何度も読んでる作品にもかかわらず面白いんだよね。だから何度も読んでるんだけど。大石智子の死〜浅川がタクシー運転手からバイク運転手の不審死について聞くところまで読んだ時点で、ついに開場となった。

広々とした会場にひしめく売り子さんと一般参加の人たち
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入り口で無料配布のカタログを受け取り入場。広い。思っていたよりも広いじゃないか。そして数多くの売り子さんの姿を見て俄然テンションがあがった。コミケのときもそうだけど、ウィンドウショッピングのようにすべての列をじっくりと見て回るのが最高にすきなので、ある種入場時が一番テンションが高いかもしれない。

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とはいえ、事前にカタログをチェックしていなかったのもあり、どこに何があるのかわからず立ち往生。カタログをパラパラめくってみると、初心者にオススメの楽しみ方がかいてあった。それによると、まずは見本誌コーナーであたりをつけてから各ブースに行くのが良いらしい。時間はたっぷりあるので、とりあえずそれに従うことにした。

下着泥棒のニュースのような見本誌コーナー
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会場の部屋を出てすぐの会議室が見本誌コーナーになっていた。写真のように、各ブースで販売されている作品の一部がズラーッと並べられている。下着泥棒が捕まった際に押収物をブルーシートの上に広げた映像がニュースで流れるかと思うが、まさにそんな状態だった。

 

このシステムは、全体的にどんな作品があるのかを把握するのにぴったりだと思った。ブースだと売り子さんがいるから、話しかけられるのが嫌だったり、話しかけられなかったとしてもなんとなく気まずいから見本をパラ読みしにくいという人もいるだろう。(私自身がそうなのだ)そういう人にとってはじっくりと装丁や内容を確認できるので、まずはここへと紹介されるのも納得。


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壁側にはこんな感じで各出品者のフライヤーが置かれていた。

しかし、全て見ていたらキリがないので早々に会場へと戻ることにしたのだった。

ブースを端から端までまずは確認

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見本誌チェックを切り上げた私は、早速会場へと戻り端から端まで各ブースを見て回ることにした。これによって見本誌コーナーやカタログでは知ることのできない実際の本や雰囲気を確認しようという魂胆だ。というより当たり前のことだ。

 

文学フリマでは、各ブースに列番号として、ア〜トまでのカタカナ20種がそれぞれ割り当てられている。そしてその中で最大50近くの番号が振られているというシステムだ。そのため今回は約1,000ブースあることになる。1,000と聞くとかなりの数のように思えるが、実際に見て回る分にはあっという間だった。集中していたからというのもあるけどね。

 

約50分かけてとりあえず1周。お目当てである「ひとひら怪談」を販売している薄禍企画(はっかきかく)のブース位置も確認できたし、パッと見で気になる作品もいくつか見つけることができた。まずは「ひとひら怪談」を購入しようとブースまでいったのだが、先客と売り子さんの会話が盛り上がっており、購入できる雰囲気じゃなかったので一旦退散。ちょうど昼ごはんの時間だったので、先にご飯を食べることにした。

会場内で販売されているカレーが美味しかった
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会場内には飲食ブースもあり、カレーを販売するお店とコーヒーを販売するお店があったので、お昼ご飯は「ターリー屋」のカレーにすることにした。いくつか種類があったのだが、やや辛めという記載があったので「キーマカレー・カツ弁当」にすることに。一緒に「ジャンボ焼き鳥」とお茶も購入。
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正直味としては普通だったが、600円だったので十分美味しいと感じた。700円だったら微妙だと思っていただろう。この600円という値付けが絶妙だったのだ。一体どの目線から物を言ってるんだと思われるかもしれないが、食べながらそう思ってしまったのだから仕方がない。ターリー屋の店主の方、値付けは素晴らしかったぞ。

 

空腹だったこともありすぐに完食。早速狙っている本を購入しに行くことにした。

戦利品

それでは今回の文学フリマで購入した6つの戦利品を紹介しよう。

ひとひら怪談」薄禍企画 600円

澤村伊智先生をはじめ、織守きょうや先生、白井智之先生、岩城裕明先生など、名だたる作家さん達による森や山、植物をテーマにした掌編集。どの掌編も見開き1ページで収まるので一瞬でゾッとする。

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「mint xol.01(通常版)」薄禍企画 500円

てっきりこちらにも澤村先生の作品がのっているのかと思って購入したが、単なる勘違いだったようだ。とはいえ、岩城裕明先生の作品が載っているので問題なし。これから読む。

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「働きウーマン・食べガール」清水恵利子 300円

完全ノーマークだったけど、たまたま薄禍企画さんのとなりにブースがあったことで発見。もともと私は食事や食べ物をテーマにした作品が好きなので、表紙とあらすじで好みっぽいと判断し購入。購入後に気がついたのだが、著者は演劇ユニットろりえの旗揚げメンバーの志水衿子さんだった。岩井七世さん経由で少し前にろりえの演劇「ミセスダイヤモンド」に興味を持っていたので思わぬ偶然。内容は独身女性の生々しい日常と、とある料理がリンクしていてすごく好みだった。既刊もほしい。
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「彼岸から」開式堂 400円

あの世からの贈り物というテーマで繰り広げられる4つの物語というあらすじに惹かれて購入したホラー短編集。これから読む。
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「狂気居酒屋 魔宴」開式堂 500円

「居酒屋」をテーマにしたショートホラーアンソロジー。こちらも食事が関係してそうなあらすじだったので気になって購入。これから読む。このサークルでは、購入特典で掌編おみくじも引かせてくれて、ブックカバーまで付けてくれたんだよ。悪乗りじゃない楽しみ方をしてるサークルで好感をもった。
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「全国47都道府県バス図鑑」映画&交通研究会 300円

全ブースで唯一かな、小学生の男の子が売ってた本。隣にはお母さんらしき女性が映画に関する本を販売してた。作品自体は単なるバスの絵を47都道府県それぞれ書いているだけのものなんだけど、小学生がこうして同人誌を販売するってなんかいいよね。同じ年齢のときの自分が見たら羨ましくなるはず。
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はじめての文学フリマは大満足

約2時間ほどの滞在だったが十分楽しめたので、柴咲コウのライブのために横浜へと移動することにした。事前にTwitterで澤村先生が午後くらいに会場に来るっていってたから楽しみにしてたけど、何が何でもお会いしたいというわけではなかったので今回は諦めた。

調べてみると、東京では半年おきに開催されているみたいで、次回11月24日(日)とその次の2020年5月6日(月・祝)の開催はもう決定しているとのこと。今日買ったサークルの新刊が出るならぜひ行きたい。出産の様子次第だけどね。とにかく楽しかった。歩き続けたことで足が疲労たっぷりだけど、いい疲れだ。